気に入った立地の物件を見つけたとしても、ある程度の築年数を超える中古物件の場合は、リフォームが必要になってきます。
しかし、リフォームしたいと思っても、気になるのが費用の問題。
フローリング、壁紙、水廻りなど、不具合のある箇所を全て手直ししたい、せっかくなら最新の設備に取り替えたいなど希望をすべて実現しようとすると、想定した予算を上回る高額な見積りになってしまうことも少なくありません。
自己資金で全てを支払うことができれば何の問題もありませんが、リフォーム資金をローンで借りる場合、いくらくらい借りることができるのか?住宅ローンにプラスして借り入れることができるのか?など様々な疑問が生まれます。
今回はリフォームやリノベーションのローンについて見ていきましょう。
住宅ローンとリフォームローンを別々に借りる
「物件購入の際に住宅ローンを借り入れて支払いを継続中であるが、更にリフォーム資金を借入れたい。」リフォームローンの借り入れでは、これが最も多いパターンだと思います。
一般的なリフォームローンにも、いくつか種類があり、「担保が必要か、不要か」という点で大きく分かれることになります。
リフォームを行う物件(土地や建物)に抵当権を設定する(有担保)か、設定しない(無担保)かという点で、商品内容が異なるのです。
貸付金額が高額になる場合、金融機関側の安全のために担保を取るケースが多くなります。一方、100万円未満の少額貸付の場合には、無担保で貸付可能なリフォームローン商品も数多く存在します。
有担保型の場合は、抵当権の設定が必要になるため、登記費用が発生する点にも注意が必要です。
●無担保型リフォームローンの一例
金額 50万円〜500万円
期間 最長10年〜15年程度
担保 無し
登記 不要
●有担保型リフォームローンの一例
金額 500万円〜5000万円程度
期間 最長30年〜35年
担保 有り
登記 必要
※金利タイプには全期間固定金利、変動金利、固定期間選択型の3種類があります。
住宅ローンと同様に、年収によってリフォームローンの借入可能額も変わりますが、いずれにしても住宅ローンが残っている場合には、住宅ローンとリフォームローンの合計支払い額について、返済負担率の審査が行われることになります。
一般的な住宅ローンに比べると、リフォームローンの金利は高めの設定になっていますので、住宅ローンとリフォームローンを併用して借り入れる場合は、しっかりとしたシミュレーションを行い家計への負担を考慮することが重要です。
リフォーム一体型住宅ローンを借りる
新築物件に比べて中古物件の方が立地条件に優れているケースが多いこともあり、予算内で理想のマイホームを実現する方法として、「中古物件+リノベーション」が注目されています。
中古物件を購入し、自分たち好みの内装に丸ごと作り変えてしまうフルリノベーションも広まっており、リフォーム・リノベーションはより身近な存在になってきました。
このような状況を受け、金融機関側も「中古物件の購入費用+リフォーム・リノベーション費用」をまとめて借入可能な「リフォーム一体型住宅ローン」に注力するようになっています。
従来であれば、住宅ローンが残っていた場合、新たなリフォームローンを借り入れてリフォーム工事を実施する方法が一般的でしたが、近年では「リフォーム一体型住宅ローン」に借り換える方法を検討できるケースが出てきました。
現在の住宅ローン残高+リフォーム資金を「長期間」「低金利」で利用可能な「リフォーム一体型住宅ローン」で借り直すことになるため、月々の支払い額を圧縮することが可能になります。
近年は低金利が続いていることもあり、住宅ローンそのものを見直すことでリフォーム資金を上乗せしたとしても、支払い総額がお得になるケースもありえます。
住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定型)では、従来型の住宅ローンに加え、「フラット35リノベ」を取り扱っています。
①お客様が中古物件を購入し、性能向上リフォームを行う
②住宅事業者により性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する
という2つのケースで、借入金利が一定期間引き下げられるという特典も付いています。
※フラット35の借入金利からマイナス0.5%の金利優遇を、金利Aプランで当初10年間、金利Bプランで5年間、受けることが出来るようになっています。
国も中古市場の活性化を推奨している状況ですので、こうした「リフォーム一体型住宅ローン」を利用して、中古物件を中心にマイホーム探しを行うこともおすすめです。
「リフォーム一体型住宅ローン」を利用する際は、リフォーム費用の見積もり金額が早い段階で必要となるなど、従来の住宅ローンとは異なる手続きが必要となりますので、なるべく早い段階でご相談ください。
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