マイホームの購入を決めて、住宅ローンを申し込んだものの、なぜか審査に通らなかった…。勤続年数も十分、年収基準も満たしているのに何故？
最近、このようなケースが増えてきているのですが、多くが『携帯電話料金の滞納』によるものです。携帯電話代の滞納が、どうして住宅ローン審査に影響するのでしょうか？
今回は、携帯電話代と個人信用情報との関係について見ていきたいと思います。
携帯電話・スマートフォン料金に注意
日常生活に携帯電話・スマートフォンは不可欠の存在ですので、新規契約や機種変更契約など、携帯電話に関する契約は日常茶飯事のことだと思います。そのため、携帯料金の支払いを軽く考えがちなのですが、そこに大きな落とし穴があるのです。
携帯電話やスマートフォンには、通話料・通信料の他に端末料金が発生します。この端末料金の支払い方法には、購入時の一括払いと分割払いがあり、一般的には24回又は36で回分割で支払う方が多いと思います。
端末料金の分割払いを選んだ場合、利用者はクレジット会社と「クレジット契約（個別信用購入あっせん契約）」を結ぶことになります。クレジット会社は端末料金を立て替えて携帯電話の販売店（携帯電話ショップ・家電量販店など）に支払い、利用者は端末料金を毎月（決められた月数）返済していくというのが分割払いの仕組みです。
そして、ここがポイントなのですが、携帯電話の場合は、携帯電話会社がクレジット会社を兼ねていることが多く、端末料金にかかる毎月の返済金は通信料と同時に請求されることになっています。結果、月々の携帯電話料金には端末料金の返済金が含まれることになるのですが、この点が十分に認識されているとは言い難い状況になっています。
特に注意が必要なのが、「実質負担金0円」と称して販売されている携帯端末です。これは端末料金が無料になるわけではなく、毎月の通話料・通信料から端末料金分が割り引きされているだけなのです。実質負担金0円であっても、クレジット会社に対しては端末料金を毎月返済していることに変わりありません。
携帯料金を滞納したらどうなる？
契約者の多重債務防止と金融機関のリスク管理の観点から、「指定信用情報機関」が各契約者のクレジットやローンなどの支払い状況や債務残高などを一元管理しています。金融機関から照会があると「いつ、いくらのローンを組んだか、毎月きちんと支払いが行われているか」という情報が提供されます。
携帯端末の分割払いはクレジット契約になっていますので、端末料金を滞納してしまうとその情報は指定信用情報機関に記録されることになります。3ヶ月以上返済を遅延した場合は「異動情報」への登録となり、いわゆる「ブラック」と呼ばれる金融事故に該当することになります
この異動情報に登録されてしまうと、完済したとしても5年間は滞納事実が記録に残るため、クレジットカードを作成や住宅ローン審査に影響が出ることになってしまいます。過去に「携帯端末料金を滞納した」ことがあれば、異動情報の記録が残っていて、住宅ローン審査に通らない可能性が非常に高くなるのです。
毎月支払っている携帯料金は通信料だけだと勘違いしていませんか？「口座引き落としに間に合わなかった」「口座残高が不足していた」など、安易に滞納してしまうと端末料金の返済金も同時に滞納状態になることに十分注意してください。
携帯ショップや家電量販店では、携帯端末のクレジット契約の仕組みについて詳しく説明してくれません。ローンを組んでいる認識がないと、たった数千円の滞納で、信用情報を傷つけることになってしまうのです。
携帯電話料金の滞納は住宅ローン審査に影響
住宅ローンを申し込むと、審査をする保証会社はあなたの個人信用情報を照会します。ここで上記の「異動情報」が出てきてしまった場合、ほぼ「不承認」と言う結果が返ってきます。
金融機関ごとに審査基準があるので、すべての金融機関で審査に落ちるというわけではありませんが、個人信用情報は最重要ポイントですので、現在の年収が高くても審査が通らない可能性は高くなります。
希望のマイホームが見つかって、住宅ローン審査で落ちてしまった場合は、ショックも大きいものになっていまいますので、過去に携帯電話料金を滞納したことがある場合は、有料にはなりますが指定信用情報機関に照会をかけることもご検討ください。
これからマイホームを探しを始める方は、ちょっとした支払い忘れでも住宅ローン審査に影響を与える、携帯端末代の支払いには十分に気をつけましょう。
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