住宅ローンを借りる際には要注意!連帯債務者と連帯保証人の違いについて

不動産トピックス

住宅ローンを借り入れる際には、申込み本人が「債務者」という立場になりますが、他にも「保証人」「連帯保証人」「連帯債務者」という言葉も出てくるため、専門用語に馴染みのない方は戸惑うことが多いかもしれません。

「借金の保証人には要注意!」と教えられてきた方にとって、これらの専門用語に対する抵抗感は強いと思いますが、実際にマイホームを購入する際には避けて通れないものでもありますので、今回のブログできちんと解説したいと思います。

住宅ローンに「保証人」は要らない

そもそも、住宅ローンは数千万円という金額を30~35年かけて返済するものですが、親族や知人に「保証人」になってもらうということは、ほとんどありません。

一般的に、住宅ローンでは、「保証人」に代わって「保証会社」という機関があなた(債務者)を保証する仕組みになっており、住宅ローンを借りる人は、この保証会社に対して「保証料」と言う名目のお金を支払うことになります。

万が一、あなたが住宅ローンを支払えなくなった時は、この保証会社があなたに代わって弁済するので、金融機関も安心して貸し付けることができます。(弁済されてもあなたの支払いが免除された訳ではないので、その後も保証会社に対しての支払いは残ります。)

連帯保証人とは

上記のように、住宅ローンを借り入れる際、実際に「保証人」を立てるケースはほとんどありませんが、以下のような場合には「連帯保証人」が必要となることがあります。

  • 夫婦や親子でペアローンを組む時(契約数が2本となる)
  • 土地や建物が共有名義の時
  • 親名義の土地に家を建てる時

ここで「連帯保証人」の定義を確認してみましょう。

保証とは、「主たる債務者(借り入れをする本人)が債務を履行(借り入れの返済)しないときに、その履行をする責任を負う」ことをいいます。そして、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う場合を「連帯保証人」といいます。連帯保証人契約は債権者(金融機関等)と保証人との間で行われます。

「連帯保証人」はローンを借りている本人が支払えなくなるとまず本人へ請求がされ、そこで支払いがされなければ支払い義務が生じるという事になります。当たり前のことですが、本人がきちんと払っていれば問題ありません。貸す側としては、万が一の時のためのリスクヘッジとして「連帯保証人」を求めることになります。

住宅ローンでこの「連帯保証人」が登場するのは親子や夫婦で協力して借入れるケースですが、契約のタイプによって下記のようになります。

パターンA:収入合算する(契約は1本)        合算する人が連帯保証人となる
パターンB:それぞれがローンを組む(契約は2本)  それぞれがお互いの連帯保証人となる

また、共有名義にしたり、親名義の土地に建築したりする場合なども、「連帯保証人」が必要となります。

これらのケースでは、持ち分がある人は「担保提供者」という立場になりますが、住宅ローンでは必ず土地・建物に抵当権を設定しますので、万が一支払いが滞った場合には、担保に入れている不動産は取り上げられてしまいます。
そのため、持ち分がある方にも契約書に「署名と実印での押印」という手続きを踏んでもらうのですが、金融機関としては担保を取るだけに留まらず、債務の後ろ盾になってもらうべく担保提供者=連帯保証人として契約をするのです。

いずれにしても、「連帯保証人」は本人が支払えなくなった場合に支払い義務が生じますので、十分に注意が必要です。

連帯債務者とは

「連帯債務者」は、夫婦や親子で収入合算するケースで登場するのですが、前述の「連帯保証人」と大きく違うのが、支払い義務の発生時期です。

「連帯債務」とは、お互いが借入れに対して100%債務を負う立場になりますので、夫婦で合算した時、夫が主債務者、妻が連帯債務者という事にはなりますが、持ち分割合に関係なく両者ともに最初から全額の支払い義務がある状態におかれます。

例えば、2000万円の借入れで、持ち分割合が1/2の場合を考えてみましょう。

「夫が1000万円、妻が1000万円の支払い義務」ということではなく、夫も2000万円妻も2000万円の支払い義務があるという事になります。
もちろん2000万円が2倍になる訳ではありません。2000万円全額を払い終われば、債務は終了します。

「連帯保証人」は、最初から支払い義務が発生しているので、支払いが滞ってしまうと直ちに請求されてしまいます。ここが「連帯保証人」と大きく違うところなので、しっかりと理解しておきましょう。

フラット35では、収入合算・親子リレーで組んだ場合、必ずこの「連帯債務者」となります。また、そもそも保証料が発生しない住宅ローンなので「連帯保証人」はありません。

住宅ローン控除を受けたいなら「連帯債務者」

契約者と「連帯債務者」は、共に住宅ローン控除が適用されるので節税効果が期待できます。住宅ローン控除を受けるためには、契約者と連帯債務者が物件を共有していることが必要となります。

ただしパートやアルバイト収入で、所得税を支払っていないいわゆる「控除の範囲内で働いている」ケースでは連帯債務者でも対象外となります。

住宅ローンの支払い義務があり、持ち分もあるのであれば、住宅ローン控除の恩恵もしっかりと受けたいものです。しかしながら、「連帯保証人」住宅ローン控除の対象外となりますので、この点についても十分に注意が必要です。

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