経営者はローン審査に通りにくい?「企業経営者」の住宅ローンについて

不動産トピックス

「企業経営者」の方々も、住宅ローンを借りて、マイホームを購入することは珍しくありません。タワーマンションやグレードの高い一戸建てを購入されている印象もありますが、実際には、一般の会社員の方々よりも、企業経営者の方が、住宅ローン審査は厳しくなるようです。

今回は、企業経営者が住宅ローンを申し込む際の注意点について、お話ししたいと思います。

会社員の「給与」と経営者の「役員報酬」

給与と役員報酬は、会社が働く人に対して支払うものですが、その取り扱いには大きな違いがあります。特に、安定性という観点では以下のような特徴があります。

給与は、雇用契約に基づいて労働の対価として支払われるもので、毎月の支払額は一定となります。給料の減額を行うためには、会社と従業員が合意をすることが原則で、業績が悪化したからという理由で会社が労働者の合意を得ることなく一方的に給料を減額することは、違法となります。また、給与は全額損金に算入できるため、会社の利益に影響しません。給与は、一般的に安定した収入源と考えられます。

役員報酬は、株主総会で決定された報酬額を毎月同額支払うもので、原則として一年間は変更できません。また、役員報酬を損金に算入するには一定の条件を満たさなければならず、会社の利益に応じて税金が変動します。会社の業績や税制に左右されやすい面があり、一般社員の「給与」とは異なり、不安定な収入源と捉えられます。

特に、中小企業では、経営環境が厳しく、売り上げも不安定になりがちです。役員報酬が一般社員の給与より多かったとしても、民間金融機関の住宅ローン審査に落ちてしまうことは珍しくありません。

審査で提出する書類の違い

住宅ローンの審査には「事前審査」と「本申込」の2段階があります。

一般社員であれば、事前審査の時には最新の源泉徴収票があれば簡単に審査を進めることができます。

一方、経営者の場合は、確定申告3期分の写しが必要で、さらに会社の決算書3期分の提出が必須となります。(2期分でOKという金融機関もあります。)

審査に落ちたとしても、書類の返却は不可となりますので、会社の内情を主要取引先でない金融機関に知られてしまうことも嫌がる方も多く、注意が必要です。

原則として、3期分の決算書の中に1期でも赤字があると「否決」とする金融機関もあります。直近1~2年の業績が良くても3年前が不振だった場合には注意が必要です。また、数年のうちにあまりにも業績の振り幅が大きい場合なども、安定していないと受け取られることがあります。

経営者の場合、会社の業績が自身の住宅ローン審査に大きな影響を与えることになりますので、マイホーム購入の計画がある場合は、数年単位で準備していく必要があります。

審査基準にも差がある?

住宅ローンの審査においては「返済負担率」(返済比率)という数字をクリアしなければなりません。この基準は、金融機関によって若干差があり、年収の区分によって30%以内、35%以内、40%以内などと定められています。

この返済負担率が、給与所得者である一般社員と会社経営者では、大きく異なると言われています。審査基準を公開していない金融機関も多いためはっきりとした数字ではありませんが、会社経営者の返済負担率は、一般写真と比べて5%~10%低く設定されていると考えられます。

同じ年収700万円の一般社員と経営者では、返済負担率が35%以内と25%以内となるとすると、審査金利3.5%で35年返済の場合、会社員は4,940万円、経営者は3,520万円が借り入れ限度額となります。同じ年収でも、借り入れ可能金額に大きな差が生まれるということになります。

金融機関の中には、会社経営者の場合は、一律で何割かの自己資金が必要と設定しているケースもありますので、事前審査を申し込む前に、審査基準についても確認しておきましょう。

会社経営者が審査に通りやすい住宅ローンは?

会社経営者が、少しでも良い条件で住宅ローンを借りるにはどうしたら良いでしょうか。

ひとつは、経営する会社のメインバンクに相談するのが良いと考えられます。メインバンクであれば経営状態や財務状況をきちんと把握しているので、審査が通りやすい可能性があります。

もうひとつは、住宅金融支援機構のフラット35を利用する方法です。実は、フラット35では、一般社員でも経営者でも返済負担率は同じで、年収400万円未満は30%以内、400万円以上は35%以内と決まっています。審査金利も実効金利となるため、民間金融機関よりも借り入れ可能金額は大きくなります。

ハウジングステージでは、会社経営者の住宅ローンについても数多くの実績がありますので、まずはお気軽にご相談ください。

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