分譲マンションに住んでいると、「管理費」「修繕積立金」「修繕積立基金」の3つの経費がかかってきますが、その違いについてご存知でしょうか?
「一戸建ては管理費・修繕積立金がいらないからお得」と考える方もいますが、快適に暮らしていくためには、一戸建てでもマンションでも、手入れ・修繕が必要になることに違いはありません。
共同住宅であるマンションでは、共用部分も含めて、管理組合主導で計画的な維持管理を行っており、そのための費用が「管理費」「修繕積立金」「修繕積立基金」ということになるのです。
それでは、この3つの経費は、どのような性格を持つのでしょうか。会計上の区分を含め、詳しく見ていきましょう。
管理費とは
管理費は、マンションの敷地や共用部分、共用施設や設備などの維持管理に使われる経費をいいます。
例を挙げると、エレベーターの点検、エントランスや廊下など共用部分の清掃、共用部分の光熱費、管理員の給与などが管理費に該当します。いわば、日々のランニングコスト的な費用と考えることができます。
各住戸の管理費は、専有部分の面積割合に応じて算出された「持ち分割合」によって決定されることが一般的で、専有面積の広い住戸ほど負担額が大きくなります。
管理費は口座振替などで管理会社へ支払うことになり、管理会社は管理費の収納業務や支出の管理といった会計業務を行います。
修繕積立金とは
修繕積立金は、将来必要となる修繕工事に備えて、管理会社が作成した「長期修繕計画」に基づき計画的に積み立てていくものです。
長期間にわたって共用部分を快適に使うことができるよう、様々な設備の性能維持や修繕工事に使われることになります。具体的には外壁の補修、屋上の防水工事、給排水管工事などが該当します。
入居者は、毎月、管理費と修繕積立金をまとめて支払うことになりますが、管理会社側では、管理費と修繕積立金を区別して会計処理していく決まりになっており、将来の修繕工事に備える仕組みが出来上がっています。
しかしながら、自然災害や気象条件の変化などで建物の劣化が想定よりも進んでいたり、当初予定よりも修繕工事に必要な費用が高くなるなど、修繕積立金が不足する場合もあり得ます。その場合は、「修繕一時金」としてまとまった金額を徴収されることになりますので、中古マンションを購入する際は「大規模修繕工事」の実施時期について確認することが重要です。
マンション契約時に管理規約と一緒に長期修繕計画の書面が提示されるはずなので、必ず目を通しておきましょう。修繕積立金の金額が低すぎる場合は注意が必要です。
修繕積立基金とは
修繕積立基金は、管理組合発足時に、ある程度の修繕積立金がプールされた状態でスタートさせるための費用で、用途は修繕積立金と同じになります。
修繕積立金の金額は20万円~40万円が一般的ですが、高額物件になるともっと高くなるケースもあります。入居時にこの積立基金を集めることで、毎月の修繕積立金の金額を軽減できる効果もあります。
管理費・修繕積立金は将来の値上がりに注意!
このように、「管理費」「修繕積立金」「修繕積立基金」は、マンションで暮らすために必要不可欠な費用なのですが、住宅ローンの審査をする際、「管理費」「修繕積立金」の負担を考慮しないケースも少なくありません。
住宅ローンの借入額が大きいと、毎月お金が足りない・・・管理費を滞納している・・・という事態になりかねませんので、資金計画を立てる際には注意しましょう。
また、「管理費」「修繕積立金」は将来値上がりすることも十分考えられます。時代とともに人件費が上昇したり、建物の劣化の進行具合によって必要な工事が変わってくることもあり、変動する可能性が高いということを念頭に毎月の収支を計画していくことが大切です。
最近、キッズルームやゲストルーム、プールやフィットネスジムなどが完備されていたり、24時間フロント常駐サービスや医療サービスなど、各種サービスで特色を出している分譲マンションが増えていますが、これらの設備の維持管理や、サービスを受けるための費用も、当然管理費で賄われています。
豪華に見える共用施設が将来の負担になることも十分考えられますので、自分たちの価値観にあった設備・サービスか、また、それに見合った金額かを見極めることが必要だと思います。
マンションを検討する際に、間取りや価格ばかりに目がいきがちですが、自分たちの資産を守る「マンション管理」についてもよく検討されることをおすすめします。
仲介手数料最大無料!尼崎市・伊丹市の不動産情報はハウジングステージ
仲介手数料半額!尼崎市・伊丹市の不動産売却・マンション売却はハウジングステージ
中古マンション売却相場価格・買取価格を瞬間査定!尼崎市・伊丹市マンションカタログ