ご注意ください！クレジットカードの支払い遅延で住宅ローン審査が通らないことも!?

銀行口座の残高不足で、クレジットカードの引き落としが出来なかったことはありませんか？

例えわずかな金額でも、たった一回だけだったとしても、甘く見ていると住宅ローン審査が通らないこともあるので要注意です。

金融機関が住宅ローン審査で必ず照会する「個人信用情報」には、どのような記録が残っているのでしょうか。

今回は、クレジットカードの支払い遅延と個人信用情報について、ご説明いたします。

クレジットカード支払いの遅延には要注意！
個人信用情報に記載されている記号の意味
住宅ローン審査における個人信用情報の重要度
個人信用情報に不安がある人は開示申請も検討を

クレジットカード支払いの遅延には要注意！

それでは、マンション購入を検討しているAさんの事例を見てみましょう。

一年前にマンションの購入を検討したAさんは、その際に住宅ローンの事前審査（仮審査）を行い、問題なく4000万円の仮承認を取り付けました。しかし、諸般の事情で購入を見送ることになり、１年が経過したこのタイミングで、あらためてマンション購入を進めることになりました。

前回の事前審査から１年が経過していること、対象物件や借入金額も変更になることから、再度事前審査を申請したのですが、銀行からの回答は「非承認」になってしまいました。この一年間に、何があったのでしょうか？

勤務先が変わったり、多額のローンを組んだりといったことはなかったのですが、「３ヵ月前にクレジットカードの引き落としに間に合わなかった」ことを思い出します。給与口座とクレジットカードの引き落とし口座を別にしていたこともあり、残高不足に陥っていたことに気付かなかったのです。

口座引き落としに失敗したことを知ったのは、クレジットカード会社からの「残高不足で引き落としが出来なかったことのお知らせ」を確認した時でした。慌てて振り込みを済ませたこともあり、カード利用を止められることはなく安心していたのですが、住宅ローンは「非承認」ということになってしまいました。

個人信用情報に記載されている記号の意味

事前審査の結果に納得がいかないAさんは、自分自身の個人信用情報について、開示手続きを行いました。すると、問題のカードの利用履歴に「＄」と「A」の記号が入っているのが確認できました。

この「＄」と「A」の記号には、どのような意味があるのでしょうか？

これは、「カード利用と支払い実績」の記録で、一般的には過去2年分、24ヶ月の実績が記載されています。それぞれの記号の意味は下記の通りです。

「＄」請求通り（もしくは請求額以上）の入金があった
「P」請求額の一部が入金された
「R」お客様以外から入金があった
「A」お客様の事情でお約束の日に入金がなかった（未入金）
「B」お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった
「C」入金されていないが、その原因がわからない
「－」請求もなく入金もなかった（例：クレジットの利用がない場合）
空欄　クレジット会社等から情報の更新がなかった（例：クレジットの利用がない場合）

住宅ローン審査における個人信用情報の重要度

「カード利用と支払い実績」に、「＄」の記載が並んでいれば、毎月クレジットカードの利用があり、きちんと支払い（引き落とし）がされている証拠となります。

しかし、個人信用情報上で「A」や「P」の記載があるということは、支払いに遅れた又は入金不足の事実があるということになり、住宅ローンの審査においては非常に厳しいものになってしまいます。

複数回の支払い遅延は論外ですが、たった1回であろうと、わずかな金額不足であろうと、金融機関の姿勢は厳しいものになります。それは、「クレジットカードの支払いに遅れる人」は「住宅ローンの返済も遅れる可能性がある人」と見なされてしまうからです。

また過去24ヶ月の実績において1年以上前に「A」が一つある場合と、直近数ヵ月で「A」や「P」が一つある場合では、直近での遅れの方が不利になります。１年以上前の支払い遅延は「過去に遅れがあったが、その後は順調に支払い実績を積み重ねている」と判断することができますが、直近の支払い遅延は「最近になって収入状況が悪化した」「最近になって大きな買い物をしたか、借入をした可能性がある」と見做されるからです。

また、支払い遅延を解消しても「A」の記録は削除されません。2年経過するまで情報が残ってしまいますので、十分に注意してください。カードを解約すると5年間は情報が保持されてしまいますので、こちらについても注意しましょう。