繰り上げ返済を上手に活用して、住宅ローンを早く終わらせよう!

不動産トピックス

35年間の住宅ローンを組んで、30歳の時にマイホームを購入したとすると、65歳になって、ようやく住宅ローンを完済することになります。

これ以上借り入れ時期が遅くなってしまうと、定年後も住宅ローンが残ってしまうことになるため、老後の生活資金を考えると不安になってしまいますね。

そこで、なるべく将来に不安を残さないように、「繰り上げ返済」制度を活用して、住宅ローンを早めに終わらせるのも、ひとつの方法です。

今回は、メリットの多い「繰り上げ返済」について、見ていきましょう。

住宅ローン毎月返済額の元金と利息

繰り上げ返済は、住宅ローンの総返済額を抑えるために有効な手法なのですが、詳しく解説する前に、住宅ローン毎月返済額の「元金」部分と「利息」部分の関係について簡単に説明したいと思います。

例えば、3000万円を利息2%の固定金利(元利金等返済)で借り入れ、35年間で返済する予定だったとしましょう。

毎月支払額は99,378円となり、35年(420カ月)で返済した場合、返済総額は41,738,760円となり、元金3000万円に対して、35年間で約1173万円の利息が発生することになります。

返済明細表を見てみると、毎月の支払額は99,378円で変わりませんが、元金と利息の内訳が毎回変わっていることに気付かれると思います。

              元金     利息     返済額    元金残高

第1回        49,378    50,000    99,378    29,950,662

第2回        49,461    49,917    99,378    29,901,161

第3回        49,543    49,835    99,378    29,851,618

第4回        49,626    49,752    99,378    29,801,992

第5回        49,709    49,669    99,378    29,752,283

第6回        49,791    49,587    99,378    29,702,492

   〜       〜     〜    〜     〜

第120回     62,201    39,177    99,378    23,446,504  

元利金等返済の場合、当初は利息部分の返済割合が多いため、10年後である120回目の返済残高を見ても、まだ2344万円も残っています。

「まだ、こんなに残っているの?」とがっかりした方も多いと思いますが、繰り上げ返済を上手に活用すれば、元金部分を一気に減らすことができるのです。

繰り上げ返済のメリット

繰り上げ返済とは、毎月のローン返済とは別に、住宅ローン借入額を前倒しして(繰り上げて)返済する方法です。

繰り上げ返済した「元金」部分に関する「利息」部分がなくなるため、ローン総返済額を抑えることができるというメリットがあります。

具体的には、2種類の繰り上げ返済タイプがあり、ご自身の状況を踏まえて、より良いものを選択することができます。

  • 返済期間短縮型

「とにかく定年までに住宅ローンを終わらせたい!」「35年もローンを払っていられない!」という方には「返済期間短縮型」がおすすめです。

繰り上げ返済する額に応じて、返済期間が何ヵ月か短縮され、予定より早く住宅ローンを完済することができます。

一般的に繰り上げ返済というと、このタイプを言い、ローン総返済額を効率的に減らしたい方、ローンの早期完済を目指す方に最適な方法です。

  • 返済額軽減型

そしてもうひとつの方法が「返済額軽減型」です。

借入期間はそのままで、毎月の返済額を低く抑えることができる方法で、「子供の教育資金などで家計支出がピークを迎える方」「とにかく家計負担を軽くしたい方」「将来共働きが出来なくなる方」など、収入減に備えたい方におすすめの方法です。

なお、上記2つの方法を総返済額で比べた場合、よりお得になるのは「返済期間短縮型」です。

同じ金額を繰り上げ返済しても、「期間短縮型」と「返済額軽減型」とでは、得られる効果が異なりますので、その時々によって使い分けることが大切です。

繰り上げ返済には手数料がかかることがあります!

繰り上げ返済の詳細な規定は住宅ローンごとに異なっているため、実際に借り入れる前に調べておくことが必要です。

繰り上げ返済できる最低金額についても、“1万円以上”からできるところもあれば、“100万円以上”からしか受け付けてくれない金融機関もあります。

上記で説明した繰り上げ返済のタイプについても、条件によってはどちらか一方の方法しか利用出来ない場合もありますので、ご注意ください。

また、一般的に繰り上げ返済には手数料がかかるのですが、これについても金融機関によって詳細な条件が異なります。

フラット35では繰り上げ返済手数料は0円になっていますし、インターネットで手続きを行えば、繰り上げ返済手数料を0円にする金融機関も増えています。

繰り上げ返済を積極的に活用したいとお考えの方は、手数料に関する条件も事前に調べておくことをお勧めいたします。

せっかく負担を軽くするために行う繰り上げ返済ですから、手数料負担が大きい住宅ローンは避けるべきだと思います。

当然ながら、繰り上げ返済は毎月の支払いとは別に支払うもので、手持ちの現金または預貯金の中から支出することになります。

言い換えれば、繰り上げ返済を行うと、手持ちの現金または預貯金が少なくなってしまうことになりますので、急な出費が必要となる場合を想定し計画的に行うことが大切です。

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